玉野 飛鶴 様
ふとしたご縁から小林先生のお茶室にお招きいただき、昨日初めて茶道体験をしてきました。
「日本人として、日本の文化を知っておいた方が良いと思いますよ」
小林先生からのお言葉もあり、茶道にも興味があったので、お伺いさせていただきました。
そして、良い意味で想像を遥かに裏切られました。
茶道と言えば、きっとそれなりの礼儀作法があって、その中でお茶とお菓子を嗜むもの、といったイメージがありました。
しかし、今回は礼儀作法についてお話はあまりなく、どちらかというと純粋にその場を楽しむ雰囲気でした。
そして、とても奥が深かったです。
茶室や露地に至るまで、すべての空間、その造り、しつらえや道具、配置されている角度。
そこに在るもの全部に、意味やこだわりが隠されている、ということを小林先生から教えていただきました。
柱や障子の紙にさえ、こだわりがあるのです。
その場に居るだけで圧巻される空間。
お茶室の内装や造りにも意味があります。
そして、茶道は基本的に無言の世界。
言わずしてその構造から意味を読み取り、動く、楽しむ、扱うという行動が自然と生み出されるよう設計されているのだそうです。
まさに「空気を読む」ということですね。
日本人としてこれは知らねば、と思いました。
お茶も、最初から出てくると思ったら違っていました。
まずは、懐石料理で懐を満たしてから、濃茶をいただきます。
この濃茶も本当にドロっと濃厚で、その辺のちょっとしたお店では味わえない味でした。
この濃茶を空腹時に入れてしまうとお腹に負担が掛かるため、先に懐石料理を頂くのだそうです。
その懐石料理がすごかった!!
小林先生ご自身が一流料亭で懐石料理を学ばれたそうで、本当に高級感があり、美味しかったです。
最初は、どこかのお店に注文したのかなと勘違いしてしまうほど、完全にプロのお料理の見た目とお味がしました。
日本酒とともにいただきました。
どれも素晴らしかったです。
そして、このお料理の後に、ようやくお茶とお菓子なんですね。
茶道では、濃茶に加え、薄茶というのがあり、一般的にイメージされる抹茶がこの薄茶です。
今回、自分自身でお茶を立てるという貴重な体験もさせていただきました。
茶道には、もともと、鑑賞するという意味もあったようです。
財政界の大御所などが集まるような茶会や茶事では、茶碗や掛け軸などを合わせると何億円もするような空間が出来上がっていました。
皆、それらに触れる為に、わざわざお金をかけて来るのだそうです。
お庭である露地や、大広間や三畳台目などの建築技術はもちろん、茶器などの茶道具も本当に高級なものばかりで、驚きました。
今回お招きいただいた小林先生は、個人でこの茶室をお建てになり、管理されていらっしゃいます。
懐石料理も、こだわりを持って手作りなさってくださいました。
そして、ここまでのおもてなしが出来るお茶室は、全国でもわずかなのだそうです。
恐らく今回お招きいただけなければ、私には一生ご縁のない世界だったでしょう。
素晴らしい機会をいただき、本当に感謝しています。
「お茶室は宇宙である」
茶室は、エネルギーの高い空間です。
本当に神社のような、なんとも言えない、厳かな雰囲気が漂っていました。
年明け早々にこのような経験ができ、本当に身も心も引き締まる想いがしました。
普段の自身の生活や行動を見直して、もっと1つ1つの物事を大切に、何事に対しても丁寧に生きたいと感じました。
気持ちの良く新年のスタートが切れました。
おかげで良い1年が過ごせそうです。
ありがとうございました。